平成23年第1回全員集会の報告

 

  (日時:平成23年3月27日(日)14時~17時)

  (場所:ブリリア多摩センター集会所)

 

出席者のみなさまお疲れさまでした。おかげ様で充実した会となりました。

当日は計画停電のあおりで会場のパルテノン多摩が使用中止になり、急きょ大型民間マンション:ブリリア多摩センター集会所へ場所を移して開催しましたが、32名の方が出席しました。

山崎勝太郎連絡会会長と来賓の須田多摩市都市計画課長の挨拶のあと、第1部では、区分所有法などを専門とする青学大講師の竹田智志先生に、近く国交省から公表される標準管理規約の改正点について解説していただきました。

 

第2部では、役員と会員が3つの小グループに別れて、3年目を迎えた連絡会の活動への意見や注文について熱心に話合いました。みなさん自組合が抱えている問題などを通して、連絡会では色々なテーマでのセミナーや勉強会を定期的に催したり、各種の問題について会員同士が直接話合えるような場が欲しい、との要望がありました。

また、各組合の規約や様々な細則、それに広報紙なども必要に応じて見たいし、連絡会独自の調査、資料も作ってもらえると役立つ、との意見もありました。

 

夕方からは、集会所併設のパーティルームに移動。缶ビールなどを呑みながら、しばし意見交換や談笑を楽しみ、7時過ぎに散会しました。

 

竹田先生の解説については、下記に記録を載せましたので、ご覧ください。

2部の座談会メモは、整理したあと広報5号(6月発行予定)か、当ウェブサイトに載せる予定にしています。

 

  

 

   講演:「標準管理規約改正点の解説」記録

 

  青学大、明海大等の講師をされている竹田智志先生より、別紙配布資料に基づき、次の様な解説があった。

 

(はじめに)

区分所有法には、建物の区分所有に関する権利関係が定められているが、「管理組合」という言葉は、第47条の管理組合法人の規定で出てくる以外には見当たらない。

第3条に定める「区分所有者の団体」が、所謂「管理組合」に該当するわけだが、この団体の設立の時期や、建物、敷地、附属施設などの管理の範囲が漠然としているなど、幾つか疑問も起きる。

 

1. マンション管理における三本柱

 

① 規約

マンションが完成し、専有部分が販売されると購入者に区分所有権が移転するので、区分所有者が複数になり、区分所有者間の法律関係が始まり、区分所有者の団体が成立する。区分所有者の団体が成立すると、建物の管理と区分所有者相互間の関係を規律するルールとして、区分所有法のほか、同法第30条、31条に規定されている通り規約を作成する事が出来る。

 

② 総会

区分所有者全員による会議であり、管理に関し広い権限が与えられている管理組合における最高の意思決定機関である。なお、標準管理規約では、総会を区分所有法に定める集会とすることが明記されている。

 

③ 管理者

管理者は、原則として集会で選任し、規約に管理者選任の定めがあれば規約に従う(区分所有法第25条)。管理者は、区分所有者によって構成される区分所有法第3条の団体における執行機関となる。

 

2. 標準管理規約の概要

管理規約はマンションの根本規則であり、マンションの憲法、あるいは管理のための憲法と言われている。確かに法律ではないが、この側面は重要かつ重大である。

区分所有法は、区分所有者間の権利義務、管理運営上の基本的枠組みを構成し、管理規約が、マンションという共同住宅における共同生活を営むための実情に合った共通のルールであるという点からすると、実際のマンション管理運営上かなり重要なものになる。(管理規約の変遷と管理規約の概観については、配布資料3頁、4頁参照)

 

3. マンション標準管理規約の登場

2004年に、従来の「中高層共同住宅標準管理規約及び中高層共同住宅標準管理規約コメント」を改正し、「マンション標準管理規約」と改めた。区分所有建物の権利関係や管理運営の基本原則を定めた区分所有法を踏まえ、マンションの管理運営を組織的且つ合理的に行い、良好な共同生活秩序を維持していくために策定されたものである。

 

2004年以前の標準管理規約は、分譲業者や管理会社を対象とし、その業務指針として公表されていたが、04年の改正では対象を、管理組合向けに変えている。

 

大きな特色は、

①建替えに関する規定の整備

建物の建替えに係わるコンセンサスに必要となる事項の調査を管理組合の業務と位置付け、その資金面の裏付けを明確にしたことである。そのために、修繕積立金制度にも介入している。

修繕積立金は、規約第28条1項の規定のなかで、積み立てた修繕積立金は次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことが出来るとし、第4号に建物の建替えに係わる合意形成に必要となる事項の調査を挙げているほか、第2項では、建替え円滑化法第9条による建替組合の設立、同第45条による認可までの間は、建替え不参加者に帰属する同積立金の相当額を除いた額を限度して、取り崩すことが出来るとした。

このように、建替えの円滑化という点で一歩踏み込んだ構成になっている。

 

②未納管理費の請求に関する規定の充実

未納管理費等の請求を理事会決議により、理事長が組合を代表して、訴訟その他の法的措置を追行できる規定を設けたことである。

 

次に、区分所有法と規約の関係について見てみると

① 区分所有法の規定を確認的に掲げたもの

② 規約に追加したもの

③ 任意規定

④ 注意、訓示的規定

に分類することができる。この分類によって、標準管理規約と区分所有法との関係を示したものは、配布資料6頁、7頁の通りである。

 

4. 今回の改正概要案の中身

主な改正点は、第5章~第7章に関する次の事項である。

 

①第5章第1節の第23条(必要箇所への立ち入り)に関しては、緊急時の専有部分への立入りに関する規定が新設された。

 

②第6章第2節の第32条(業務)に関しては、「長期修繕計画書の管理」を追加した。

 

③第6章第3節の第35条(役員)に関しては、役員の資格要件を緩和 (居住組合員から区分所有者全体に広げた。借家人には緩和していない)し、それに関するコメントが付された。

 

④第6章第4節の第46条(議決権)に関しては、区分所有者の委任を受けて議決権を行使できる代理人の範囲を拡大し、同手続きの明確化を図った。それに関するコメントでは、議決権行使書と委任状の違いについて明記されたほか、白紙委任状の取扱いについては詳細に記された。

 

⑤第7章の第60条(管理費等の徴収)について、未納の管理費等の請求に関する訴訟等は、管理組合(現行は理事長)が理事会の承認により追行すると改められた。

 

⑥第6章の第5節(理事会)では、理事会権限として、総会で予算承認する前のやむを得ない経常的な支出の承認不承認と、未納管理費 等の請求に関する法的措置の追行、などを追加している。

 

(ある判例とのリンク)

別紙配布資料の最高裁判例について解説があった。

管理組合が共用部分に取付けた看板の撤去及び賠償を求めた訴訟で、東京高裁が本件各請求は区分所有者が行うべきものであるとして管理組合の原告適格を否定し、却下した。これに対して最高裁は、給付の訴えでは請求する権利を有すると主張する者に原告適格があると判断、更に審理させるため東京高裁に差し戻した。請求訴訟に関して管理組合の原告適格を示した判例である。

 

5. 改正案の特色を探る

区分所有法は、民法の特別法であり、区分所有者が主役である。管理規約は、管理組合が主役であるので両者にはどうしてもギャップある。

関東地区では全体の4割が空き家というマンションもある。こうしたマンションが増え、管理が混乱してきている。区分所有法で罰則規定もない。この様な状況の中、今回の改正はマンション管理の懈怠を防ぐための具体策を打ち出している。

 

 

 以上の解説に対して質疑応答があった。

(質問)

1.松崎氏(エステート鶴牧4・5):管理組合の役員の義務化は可能か。

  ⇒区分所有法は民法であり、義務化することはなじまない。

 

2.小幡氏(愛宕2丁目):改正規約が公表される見通しは。

 ⇒間もなく(この春には)改正案が決定すると思う。

 

3.常光氏(エステート鶴牧4・5):イ、白紙委任状を止めて議決権行使書一本にすることが出来るか。ロ、現行では理事長にある訴訟追行権を、管理組合に変えたのはなぜか。

 ⇒イ、理事長委任と議長委任では性格が違う。理事長委任で反対は考えられないが、議長委任では総会出席者の賛否数に按分する例もある。 
 ⇒ロ、(回答なし?)

                                 以上 です


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